2012年9月4日火曜日

ベトナムA型肝炎 Hepatitis A in vietnam


以前B型肝炎のことを書きましたが、A型肝炎には触れていなかったので今回書いてみようと思います。

A型肝炎はA型肝炎ウイルスを経口的に摂取することによって感染します。つまりB型、C型肝炎と違って、飲み水や食べ物によって感染するということです。汚染された水、牡蠣などの貝類の生食で感染します。感染した人からはウイルスが便中に排泄されるので、下水管理が不備のある地域なのではとくに多く見られ、時に流行がみられます。

以下は アメリカCDCに発表している地図ですが、アジアやアフリカ、中南米などに多いことが良くわかります。ベトナムはこの地図によればLowになりますが、水の安全性、下水などの状況から考えると決して安全な国とは言いがたいです。



ただ幸いなことに、このA型肝炎はB型、C型肝炎のように慢性肝炎(ずっとウイルスが活発なままの肝炎)にはなりません。 急性肝炎といって、一時的に全身に黄疸(目や皮膚が黄色くなる)を伴う数日間続く高熱、腹痛などが現れます。  時には無症状の人もいます。  しかし逆にまれにですが(全体の0.1%に)劇症肝炎といって非常に激しい肝炎を起こすこともあります。その場合には症状も強く、数週間と長引き、死亡率は70-90%にもなるといわれています。


A型肝炎には予防接種があります。 

予防はやはり予防接種です。A型肝炎単独でも予防摂取はありますが、当院ではA型、B型肝炎の混合のワクチンをおすすめしています。

ワクチンは子供でも接種できます。

日本のA型肝炎ワクチンは薬として承認された当時のまま使用法が改定されておらず、16歳未満の小児は接種できないということになっています。しかしながら小児に対する臨床試験は1995年に行われており、有効性と安全性はは証明されています。 そして日本でのA型肝炎を小児へも進める動きとして、今年の6月に日本小児科学会、日本産婦人科学会、日本渡航医学会、日本感染症学会などが連名で厚生労働省にA型肝炎の接種の小児への適応拡大を文書で申請しています。(リンク) 

「日本ではA型肝炎は打ってもらえなかった」。といって当院へ受診されてくる方もいますが、日本でもトラベルクリニックなどの医療機関では、ご家族の承認のもとA型肝炎の予防接種を打ってくれるところもあります。 例えば 東京医科大学、などがありますが、他にもご両親と相談のうえ、という記載のところは多く認めます。

調べていて気づいたことですが、8月現在の時点で、日本国内の多くの医療機関でA型肝炎のワクチンの供給が滞っており、入手が難しくなっているようです。 













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