2012年7月17日火曜日

カンボジア謎の病気 エンテロウイルスで決着

カンボジアの謎の病気としてニュースを騒がせましたが、WHOは今回の一連の病気を手足口病を起こすウイルスであるエンテロウイルス71によるものと結論付けました。
CIDRAP
 (7/12)
CNN
(7/11)

カンボジアのPasture研究所、アメリカのCDCなどが協力して調査が進められ、78名の患者を確認したようです。
31名の患者の血液を調べたところほとんどの患者からエンテロウイルス71が検出されました。また少数ではありますがHIB(インフルエンザ菌)、豚レンサ球菌なども検出されたようです。
多くの患者は3歳以下で、もともと慢性の病気を持っていたり、栄養失調があった子供もいたようです。
どこか一つの地域で集中的に発生しているわけでもなく14の州から患者は来ています。

また多くの子供たちが治療の過程でステロイドを投与されていたことも分かっています。これが病状の進行と関係しているかも、というコメントも見られます。

ステロイドは免疫抑制剤です。免疫を下げる薬なので
普通の感染症ではまず使いません。ですが炎症を抑える働きも強いので、時に重症の感染症で短期間使われることがあります。今回どのような経緯でステロイドが子供たちに使われることになったのかはわかりませんが、安易な投与があったのかもしれません。



日本では病院の処方箋がないともらえないステロイドですが、
ベトナムでは(おそらくカンボジアでも)薬局に行って『風邪引いた、のどが腫れていたい』というとステロイドが処方されてくるケースがたびたびあります。知らない薬を薬局で買って飲むのはできるだけさけたほうが賢明でしょう。




JUGEMブログでも公開しています。

2012年7月9日月曜日

カンボジアでも謎の病気、謎の皮膚病はIPPHに。

ベトナムの謎の皮膚病はまだ原因がはっきりしないようですが、新しい患者は出ていないようで、やや落ち着いています。  リンク(Vietnam news)

ちなみに”謎の皮膚病 ”とされていましたが症状から名前がついたようです。
Inflammatory Palmoplantar Hyperkeratosis Syndrome (IPPH)
日本語に訳すと、炎症性掌蹠過角化症候群 というところでしょうか。非常にわかりにくい名前ですが、手足の皮膚が角化(厚くなる)というのが特徴のようです。




一方隣国カンボジアでも謎の病気で過去3カ月で60人以上の子供が亡くなっています。(大人の感染者はいないようです)
急速に進行する呼吸器症状、 神経症状が特徴のようです。


リンク NHK, ウォールストリートジャーナル(日本語)


最新の報道(7月8日まで)によると
原因としては手足口病などの原因にもなるエンテロウイルス71というウイルスが原因である可能性が一番高いようです。カンボジアのPasteur研究所で6月中旬から症状が見られた24名の患者中15名でこのエンテロウイルスの感染が確認されています。ただまだこのウイルスが原因と確定したわけではありません。

リンク(Khumer newsGlobalpost)



余談ですが、ベトナムでGoogleのブログへの接続がブロックされている印象です。今後この状況が続くなら他のブログへ移行するかもしれません。