2012年2月9日木曜日

髄膜炎菌性髄膜炎の流行  Meningococcal meningitis

テト(旧正月)の前後から話がありましたが、ベトナムで髄膜炎菌性髄膜炎の流行が見られているようです。
報道によると、ホーチミン、ハノイ、ロンアン省、ビンフック省、クアンチー省で流行が見られています

tuoitrenews
http://tuoitrenews.vn/cmlink/tuoitrenews/society/meningococcal-meningitis-spreads-in-five-vietnam-localities-1.59750

http://www.examiner.com/infectious-disease-in-national/vietnam-30-people-test-positive-for-meningitis-hcmc



髄膜炎菌性髄膜炎(Meninngococcal meningitis)




髄膜炎はさまざまな菌やウイルスが脳や脊髄を覆っている髄膜という膜に感染することによって起こる病気です。特徴的な症状は高熱、頭痛に伴って項部硬直といって首が曲げられなくなります。
 
髄膜炎菌性髄膜炎は髄膜炎が髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)という名前の菌によって起きたものをいいます。この髄膜炎菌はときに流行をおこすことがあることから流行性髄膜炎ともいわれます。

症状経過
 髄膜炎の症状としては上記のように、高熱、頭痛、項部硬直に加えて嘔吐やけいれんをおこすことがあります。また敗血症といって血液を介して全身に菌がまわってしまうと、全身の臓器にダメージを与えたり、全身の皮下で出血を起こしたりします。
 経過は通常急激で、できるだけ早く抗生剤で治療することが必要です。治療を施しても致死率は10-15%といわれています。



tuoitrenewsより転載
敗血症で皮下出血を起こしている患者さんの様子です


感染、予防
髄膜炎菌は飛沫感染します。(咳やくしゃみなどで散った飛沫を吸い込むことで感染します)ですからマスクの着用は有効です。
潜伏期は2-10日、平均で4日程度です。
予防には髄膜炎菌ワクチンがあります。髄膜炎菌にはいくつかの亜種があり現在ベトナムの流行でで確認されているのはA,B.CとYタイプのです。当院では髄膜炎菌のAとCタイプに対するワクチンを扱っています。

当院での髄膜炎患者さんはまだ見られていませんが、注意が必要です。
お子さんは特にワクチンの接種をおすすめします。





もっと詳細が知りたい方は下記参照してください。

国立感染症研究所ホームページ
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k05/k05_20/k05_20.html
横浜市衛星研究所ホームページ
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/mening1.html



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