マラリアには予防薬があります。
これは医者の患者啓蒙不足だと思うのですが、マラリアに予防薬があることを知っている日本人旅行者はとても少ないです。
カンボジア、ラオス、ベトナムにマラリアがはやっていることを知っている人も少ない。
(ちなみに欧米人旅行者はその辺にはかなりきっちりしており、クリニックに受診されるときも今マラリアの予防薬を飲んでいます、という方に多く出会います。残念なことに日本人の旅行者で今もしくは少し前までマラリアの予防薬を飲んでいますという人には一人もあったことがありません。)
マラリアの症状は周期的に現れる発熱です。この発熱の周期は、熱帯熱マラリア(毎日)、三日熱マラリア(48時間おき)、四日熱マラリア(72時間おき)などのマラリアの種類によって変わってきます。 それに伴い、頭痛、関節痛、腹痛、嘔吐、下痢などの症状がみられることがあります。
診断もマラリアを疑って血液検査を行えば通常の医療機関でも十分わかります。
また病院によっては迅速検査キットというものがあり、特別な検査機器がなくても検査ができます。
マラリアは(特に熱帯熱マラリアは)かかると非常に危険な病気です。命にかかわることも十分あります。ですからカンボジア、ラオス、(ベトナムの山間部)に長期滞在する人にはぜひ予防薬を飲んでほしいと思います。
予防薬
マラロン(MALARONE)
予防薬として世界的に一番メジャーなものは Malarone という薬です。1日1回で済みますし、帰国後も短期間で飲み終えることができます。副作用もマラリアの予防薬のなかで一番少ないと言われています。ただ日本では認可されていないので、輸入された薬剤をトラベルクリニックなどでもらうことになります。そのためどうしてもコストが高くついてしまうようです。
(残念なことにベトナムでも手に入りません。タイやシンガポールなどでは買えるようです)
メフロキン(MEFLOQUINE):メファンキン
日本でも認可されているマラリア予防薬です。週1回の内服でいいのですが、うつや、悪夢など精神的な副作用が比較的多く見られます。
カンボジアやタイではこのメフロキン耐性のマラリアが見られているので、この地域を旅行する場合はメフロキンをお勧めしていません。
ドキシサイクリン(DOXYCYCLINE):ビブラマイシン
日本でも抗生剤として使われている薬です。マラリアの予防作用もあります。どこの病院でも比較的手に入れやすく、コストもそれほど高くはつきません。 副作用は空腹時に飲んだり、内服直後に昼寝などしてしまうと、ひどい食道炎(胸やけ)を起こします。必ず食事と水と飲む必要があります。またこの薬を飲むと日光過敏症(日焼け部分が赤くはれ上がったり、ただれたり)になったりすることがあるので日光を避けなければいけません。
総合的には当院では(マラロンが手に入らないため)ドキシサイクリンを勧めています。
東南アジア、インド、アフリカ、中南米を旅する人はぜひ旅行前にマラリアの流行、予防薬必要の有無を確認されることをお勧めします。
2011年12月25日日曜日
2011年12月22日木曜日
マラリア ベトナムMaralia in Vietnam
ベトナムではマラリアがありますか?
日本人の患者さんから直接聞かれたことはありませんが、欧米人からはよく質問があるのがこの質問です。答えはYesです。
確かにベトナムではまだマラリアの感染が起きている地域があります。それは主ににカンボジアやラオスとの国境近くの省や山間部です。
ただ多くの駐在員や旅行者が行くような都市部、ハノイ、ダナン、ホーチミンではほとんど見られていません。
私たちのクリニックはホーチミン、ハノイで10年以上駐在員、旅行者の診療を行っていますが、ベトナムでマラリアにかかった患者さんは来たことがありません。(ラオス、カンボジアでマラリアにかかったという人は実際にいます)
統計的には
以下の図はホーチミンにある、Oxford大学の研究機関が出した報告の引用です。
上の図が熱帯熱マラリアという重篤なマラリアの感染の状況。
下の図が三日熱マラリアという比較的症状の軽いマラリアの感染の状況です。
省ごとに発生率が示されており、真っ黒なところが感染率が人口1万人に対して50人以上です。
熱帯熱マラリアの発生状況(左が2007年、右が2008年です)
三日熱マラリアの発生状況(左が2007年、右が2008年です)
ベトナム中部、山間部に長く行く人は気をつけたほうが良さそうですが、旅行で滞在する程度であれば予防薬は必要ないと考えられます。
日本人の患者さんから直接聞かれたことはありませんが、欧米人からはよく質問があるのがこの質問です。答えはYesです。
確かにベトナムではまだマラリアの感染が起きている地域があります。それは主ににカンボジアやラオスとの国境近くの省や山間部です。
ただ多くの駐在員や旅行者が行くような都市部、ハノイ、ダナン、ホーチミンではほとんど見られていません。
私たちのクリニックはホーチミン、ハノイで10年以上駐在員、旅行者の診療を行っていますが、ベトナムでマラリアにかかった患者さんは来たことがありません。(ラオス、カンボジアでマラリアにかかったという人は実際にいます)
統計的には
以下の図はホーチミンにある、Oxford大学の研究機関が出した報告の引用です。
上の図が熱帯熱マラリアという重篤なマラリアの感染の状況。
下の図が三日熱マラリアという比較的症状の軽いマラリアの感染の状況です。
省ごとに発生率が示されており、真っ黒なところが感染率が人口1万人に対して50人以上です。
熱帯熱マラリアの発生状況(左が2007年、右が2008年です)
三日熱マラリアの発生状況(左が2007年、右が2008年です)
ベトナム中部、山間部に長く行く人は気をつけたほうが良さそうですが、旅行で滞在する程度であれば予防薬は必要ないと考えられます。
2011年10月16日日曜日
ひったくりに気をつけて!
以前からありますが、特に最近ひったくりにあわれて病院を受診されている方が増えています。
多くの方は旅行者ですが、在住者の方で被害に会われている方もいます。
一番被害の多いのは女性の旅行者で細い紐の小さめの肩掛けカバンを持っている方です。ひったくりはその肩掛けカバンを紐を引きちぎって奪い去っていこうとするのですが、多くの場合にはすぐには切れず、引っ張られて顔から転倒したり、紐が切れないために引きずられたりして大けがをして病院に見えます。以前は若い女性が多かった気がしますが、最近は高齢者もターゲットになってきているように思います。ひどかったのはひったくりにあい、頭から転倒し脳出血になられて最終的に日本へ緊急搬送になられた方もいます。
予防でいちばんいいのはリュックサックを使うこと。あとは道路から離れて歩く。ということでしょうか。
アジアでは比較的治安が良いベトナムですが、ひったくり、気をつけましょう。
実際のひったくりの様子の動画です。(知人にこんなのあるよと教えてもらいました)
やはり細い紐のカバンです。
多くの方は旅行者ですが、在住者の方で被害に会われている方もいます。
一番被害の多いのは女性の旅行者で細い紐の小さめの肩掛けカバンを持っている方です。ひったくりはその肩掛けカバンを紐を引きちぎって奪い去っていこうとするのですが、多くの場合にはすぐには切れず、引っ張られて顔から転倒したり、紐が切れないために引きずられたりして大けがをして病院に見えます。以前は若い女性が多かった気がしますが、最近は高齢者もターゲットになってきているように思います。ひどかったのはひったくりにあい、頭から転倒し脳出血になられて最終的に日本へ緊急搬送になられた方もいます。
予防でいちばんいいのはリュックサックを使うこと。あとは道路から離れて歩く。ということでしょうか。
アジアでは比較的治安が良いベトナムですが、ひったくり、気をつけましょう。
実際のひったくりの様子の動画です。(知人にこんなのあるよと教えてもらいました)
やはり細い紐のカバンです。
2011年9月12日月曜日
パッションフルーツ
南国でよく手に入るパッションフルーツですが、眠りにはよいようです。
もともと鎮静作用、気分を落ち着かせる作用があることが言われていましたが、科学的にも分かってきたようです。
パッションフルーツは日本語で果物時計草(クダモノトケイソウ) と書くそうです。
これはパッションフルーツが時計草科の実をつける植物だからの様です。花は確かに時計のようです。偶然でしょうがおもしろいです。
パッションフルーツは日本語で果物時計草(クダモノトケイソウ) と書くそうです。
これはパッションフルーツが時計草科の実をつける植物だからの様です。花は確かに時計のようです。偶然でしょうがおもしろいです。
パッションフルーツなどから抽出した物質に、体の機能を調整する「体内時計」の周期を遅らせる働きがあることが、産業技術総合研究所の大西芳秋主任研究員らの研究で分かった。
食物から抽出した物質とあって、安全性の高い時差ボケの治療薬の研究につながる成果として注目されている。英国の科学誌「バイオサイエンス・レポート」(電子版)に掲載された。
体内時計を遅らせる効果が見つかったのは、ハルミンという有機化合物。これが豊富に含まれるパッションフルーツやパッションフラワーには古くから鎮静、睡眠導入効果があると言われていた。
大西さんらは、マウスの細胞に蛍の発光遺伝子などを組み込み、体内時計によって約24時間周期で光り方が変わる細胞を作製。これにハルミンを加えて観察 したところ、体内時計をつかさどる遺伝子の効果が増強され、約30時間周期へと遅らせる効果が分かった。大西さんは「体内時計を制御するメカニズムはかな り解明されつつあり、ハルミンをさらに調べて時差ボケ予防に役立てたい」と話している(引用:読売新聞)。
2011年7月11日月曜日
ホーチミンで胃カメラ始めました。
ついにファミリーメディカルプラクティスでも胃カメラはじめました。
私自身は日本で消化器科として胃カメラをずっとやってきたので、こちらで胃カメラが必要そうな患者さんをよその病院にお願いするのは残念だったのですが、当院でも出来るようになりました。
まだ開始していませんが、今後大腸カメラも来月には始められる予定です。
日本人ドクターが行う大腸内視鏡はベトナム初です。
私自身は日本で消化器科として胃カメラをずっとやってきたので、こちらで胃カメラが必要そうな患者さんをよその病院にお願いするのは残念だったのですが、当院でも出来るようになりました。
まだ開始していませんが、今後大腸カメラも来月には始められる予定です。
日本人ドクターが行う大腸内視鏡はベトナム初です。
2011年5月19日木曜日
風疹がはやっています In ホーチミン
ここ数ヶ月ホーチミンで風疹が流行っています。
そのかわりにデング熱はすっかり見かけません。
風疹にかかるのは特に30台から50台の男性が多いです。
女性の患者さんは今のところ見ていません。
ベトナムのニュースによれば流行は北部でも南部でもあるようです。
http://en.www.info.vn/life-and-laws/criminal/25505.html
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/Social-Isssues/211208/Number-of-rubella-cases-soar-in-North.html
http://www.lookatvietnam.com/2011/03/hanoi-suffers-rubella-breakout.html
風疹は”三日ばしか”とも言います。
熱が三日前後で消える、症状ははしかに似ていることからつけられたものです。
ちなみ英語ではRubella、German measlesといいます。
ベトナム語では Sởi Đức だそうです。 Đứcはドイツなので英語由来なのでしょうか?
潜伏期間は約2-3週間といわれています。
症状は
風疹は熱と一緒に小さな赤い点状の皮疹が顔も含めた全身にでます。そして2,3日すると熱が下がり、皮疹はややおくれて消えていきます。
はしか(麻疹)の場合は皮疹(発赤)が消えたあとに色素沈着といって浅黒い色が残ることがありますが、風疹にはそれは見られません。
また子供ではまれですが、大人が風疹にかかると関節炎症状がでます。リウマチのような関節の痛みが1-数週間つづくこともあります。
先天性風疹症候群
風疹自体はそれほど重症になることは少ないですが、妊娠中の方は気をつけなければいけません。妊娠初期の女性が風疹に感染してしまうと風疹ウイルスが胎児にも感染してしまい、心疾患、白内障、難聴、発育障害、発達障害などの先天性の障害を起こしてしまいます。
ですから妊娠中の女性は風疹には気をつけなければいけません。
感染する可能性がある期間は皮疹がでてから前後1週間といわれています。
予防法は予防接種です。
MMRという3種類のウイルス(麻疹、風疹、おたふくかぜ)が入った予防接種があります。
日本ではMRワクチン(おたふくかぜが入っていない)が使われています。
そのかわりにデング熱はすっかり見かけません。
風疹にかかるのは特に30台から50台の男性が多いです。
女性の患者さんは今のところ見ていません。
ベトナムのニュースによれば流行は北部でも南部でもあるようです。
http://en.www.info.vn/life-and-laws/criminal/25505.html
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/Social-Isssues/211208/Number-of-rubella-cases-soar-in-North.html
http://www.lookatvietnam.com/2011/03/hanoi-suffers-rubella-breakout.html
風疹は”三日ばしか”とも言います。
熱が三日前後で消える、症状ははしかに似ていることからつけられたものです。
ちなみ英語ではRubella、German measlesといいます。
ベトナム語では Sởi Đức だそうです。 Đứcはドイツなので英語由来なのでしょうか?
潜伏期間は約2-3週間といわれています。
症状は
風疹は熱と一緒に小さな赤い点状の皮疹が顔も含めた全身にでます。そして2,3日すると熱が下がり、皮疹はややおくれて消えていきます。
はしか(麻疹)の場合は皮疹(発赤)が消えたあとに色素沈着といって浅黒い色が残ることがありますが、風疹にはそれは見られません。
また子供ではまれですが、大人が風疹にかかると関節炎症状がでます。リウマチのような関節の痛みが1-数週間つづくこともあります。
先天性風疹症候群
風疹自体はそれほど重症になることは少ないですが、妊娠中の方は気をつけなければいけません。妊娠初期の女性が風疹に感染してしまうと風疹ウイルスが胎児にも感染してしまい、心疾患、白内障、難聴、発育障害、発達障害などの先天性の障害を起こしてしまいます。
ですから妊娠中の女性は風疹には気をつけなければいけません。
感染する可能性がある期間は皮疹がでてから前後1週間といわれています。
予防法は予防接種です。
MMRという3種類のウイルス(麻疹、風疹、おたふくかぜ)が入った予防接種があります。
日本ではMRワクチン(おたふくかぜが入っていない)が使われています。
2011年3月9日水曜日
小児眼科 (斜視)In マレーシア
今回はホーチミンの情報ではありません。
以前マレーシア旅行に行った際に受診した眼科を紹介します。
私にはまだ1歳にならない娘がいるのですが、最近斜視が気になっていました。
乳幼児の斜視は放っておくと、両目を使って物を見る(立体視)機能が発達しなくなってしまいます。そのため早い段階で見つける必要があり、眼鏡や、眼帯の使用や、必要があれば乳幼児でも手術を行います。そのためはっきりとさせたかったのですが、ホーチミンで小児眼科、斜視を専門とする医者を見つけられませんでした。(もしどなたかご存知であればコメントください)
たまたま見つけたのがクアラルンプールにある、International eye specialist Center でした。
http://www.isecmalaysia.com/
Mid vallayという大型ショッピングセンターの一角にあるオフィスビルの中にあります。
このクリニックに勤務する医師は殆どイギリスなどで留学しており英語が堪能なようでした。クリニック自体も非常に清潔で日本人にもなんら抵抗感はないと思います。
Dr.Fongは小児眼科、斜視を専門としており、実際わたしたちが娘を連れて行ったときも何人か明らかに斜視の子供が受診を待っていました。
診察結果はほぼ間違いなく偽内斜視(Pseudo strabismus)でしょう。とのこと。
予想(期待どおり)の結果でした。
ただ、同じ結論をもらうにしても小児眼科の専門医に言ってもらえることは安心感が違います。しかもDr.Fongはかなり感じのいい方でした。
ホーチミンの医療とは関係ないですが。
情報でした。
以前マレーシア旅行に行った際に受診した眼科を紹介します。
私にはまだ1歳にならない娘がいるのですが、最近斜視が気になっていました。
乳幼児の斜視は放っておくと、両目を使って物を見る(立体視)機能が発達しなくなってしまいます。そのため早い段階で見つける必要があり、眼鏡や、眼帯の使用や、必要があれば乳幼児でも手術を行います。そのためはっきりとさせたかったのですが、ホーチミンで小児眼科、斜視を専門とする医者を見つけられませんでした。(もしどなたかご存知であればコメントください)
たまたま見つけたのがクアラルンプールにある、International eye specialist Center でした。
http://www.isecmalaysia.com/
Mid vallayという大型ショッピングセンターの一角にあるオフィスビルの中にあります。
このクリニックに勤務する医師は殆どイギリスなどで留学しており英語が堪能なようでした。クリニック自体も非常に清潔で日本人にもなんら抵抗感はないと思います。
Dr.Fongは小児眼科、斜視を専門としており、実際わたしたちが娘を連れて行ったときも何人か明らかに斜視の子供が受診を待っていました。
診察結果はほぼ間違いなく偽内斜視(Pseudo strabismus)でしょう。とのこと。
予想(期待どおり)の結果でした。
ただ、同じ結論をもらうにしても小児眼科の専門医に言ってもらえることは安心感が違います。しかもDr.Fongはかなり感じのいい方でした。
ホーチミンの医療とは関係ないですが。
情報でした。
2011年1月19日水曜日
ベトナムでのB型肝炎予防 Hepatitis B in Vietnam
もう2011年になってしまいました。
細々ですが、情報をアップしていこうと思います。
B型肝炎はとくにベトナム特有の病気ではありませんが、ベトナムで多い病気です。
一般に肝炎はA,B,C型肝炎と見つけられた順に名前がついていますが、その特徴は大きく異なります。ちなみに非常に稀ですが、DからH型肝炎まであるようです。
B型肝炎は感染力が強く、また慢性化することがあるので注意が必要な病気です。
感染経路
B型肝炎はB型肝炎ウイルスを持っている人から血液、体液(唾液、精液)を介して感染します。
輸血などでも感染しますが、性交渉、セックスでもうつります。
食器の共有などで感染することもあるといわれています。実際に輸血も疑わしい性交渉もしていないのに急性のB型肝炎にかかってくる患者さんはいます。
もうひとつ多いのは母子感染です。B型肝炎を持っている母親から生まれる子供はかなりの確立でB型肝炎に感染します。
日本でB型肝炎ウイルスに感染している人は全人口の1-2%と言われています。
ところがベトナムではその数が10%以上といわれています。日本の10倍です。
実際にベトナム人の健康診断をしていると頻繁にB型肝炎のキャリアの患者さんに会います。
昨年当院の健康診断をうけたベトナム人2025人を調査してみると164名のB型肝炎のHBs抗原陽性(B型肝炎に感染している)人がいました。その割合は8%になります。当院で健診をうける人の多くは外資系企業に勤める人々でベトナム人でも裕福な層に入ると思うのですが、それでも8%というのは高い値です。
これだけ感染している人が周りいると当然何かの拍子に感染してしまうチャンスも増えます。
慢性B型肝炎
B型肝炎の問題は慢性化することです。慢性肝炎とは肝炎(肝臓がダメージを受けている状態)が持続することです。
B型肝炎に大人が新たに感染するとまず急性肝炎になります。発熱に加えて黄疸(白目が黄色くなったり、全身が黄色くなったり)、腹痛などが出ます。この時期も入院が必要ですが、多くは徐々に改善してきます。しかし急性B型肝炎にかかった人の約10%が肝炎が治りきらない慢性肝炎の状態になってしまいます。
血液検査をすると肝酵素であるGOT、GPTが常に高い値を示します。
慢性肝炎が続くと将来、肝硬変や肝臓癌になります。
簡単に言ってしまえば、B型肝炎ウイルスにかかることは将来肝臓癌になるかもしれないということと同じ意味になります。
B型肝炎の治療はありますが、長期に渡って薬を飲み続けなければいけなかったり、飲み続けてもウイルスがなかなか消えなかったりと簡単な治療ではありません。
やはり予防が一番です。B型肝炎にはワクチンがあります。
日本ではA型、B型肝炎のワクチンはそれぞれ注射しなければいけませんが、海外ではA,B型肝炎の混合ワクチンが主流です。
値段もそれぞれ打つよりも安く、副作用もそれぞれ打つ場合と変わりません。
当院でもこのA,B型混合ワクチン(Twinlix)をお勧めしています。
ちなみに摂取のスケジュールは初回、1ヶ月後、6ヶ月後の3回です。
細々ですが、情報をアップしていこうと思います。
B型肝炎はとくにベトナム特有の病気ではありませんが、ベトナムで多い病気です。
一般に肝炎はA,B,C型肝炎と見つけられた順に名前がついていますが、その特徴は大きく異なります。ちなみに非常に稀ですが、DからH型肝炎まであるようです。
B型肝炎は感染力が強く、また慢性化することがあるので注意が必要な病気です。
感染経路
B型肝炎はB型肝炎ウイルスを持っている人から血液、体液(唾液、精液)を介して感染します。
輸血などでも感染しますが、性交渉、セックスでもうつります。
食器の共有などで感染することもあるといわれています。実際に輸血も疑わしい性交渉もしていないのに急性のB型肝炎にかかってくる患者さんはいます。
もうひとつ多いのは母子感染です。B型肝炎を持っている母親から生まれる子供はかなりの確立でB型肝炎に感染します。
日本でB型肝炎ウイルスに感染している人は全人口の1-2%と言われています。
ところがベトナムではその数が10%以上といわれています。日本の10倍です。
実際にベトナム人の健康診断をしていると頻繁にB型肝炎のキャリアの患者さんに会います。
昨年当院の健康診断をうけたベトナム人2025人を調査してみると164名のB型肝炎のHBs抗原陽性(B型肝炎に感染している)人がいました。その割合は8%になります。当院で健診をうける人の多くは外資系企業に勤める人々でベトナム人でも裕福な層に入ると思うのですが、それでも8%というのは高い値です。
これだけ感染している人が周りいると当然何かの拍子に感染してしまうチャンスも増えます。
慢性B型肝炎
B型肝炎の問題は慢性化することです。慢性肝炎とは肝炎(肝臓がダメージを受けている状態)が持続することです。
B型肝炎に大人が新たに感染するとまず急性肝炎になります。発熱に加えて黄疸(白目が黄色くなったり、全身が黄色くなったり)、腹痛などが出ます。この時期も入院が必要ですが、多くは徐々に改善してきます。しかし急性B型肝炎にかかった人の約10%が肝炎が治りきらない慢性肝炎の状態になってしまいます。
血液検査をすると肝酵素であるGOT、GPTが常に高い値を示します。
慢性肝炎が続くと将来、肝硬変や肝臓癌になります。
簡単に言ってしまえば、B型肝炎ウイルスにかかることは将来肝臓癌になるかもしれないということと同じ意味になります。
B型肝炎の治療はありますが、長期に渡って薬を飲み続けなければいけなかったり、飲み続けてもウイルスがなかなか消えなかったりと簡単な治療ではありません。
やはり予防が一番です。B型肝炎にはワクチンがあります。
日本ではA型、B型肝炎のワクチンはそれぞれ注射しなければいけませんが、海外ではA,B型肝炎の混合ワクチンが主流です。
値段もそれぞれ打つよりも安く、副作用もそれぞれ打つ場合と変わりません。
当院でもこのA,B型混合ワクチン(Twinlix)をお勧めしています。
ちなみに摂取のスケジュールは初回、1ヶ月後、6ヶ月後の3回です。
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