ベトナムのビーチでよく問題になるのがこのサンドフライです。
直訳すれば砂バエですが、実際には砂地に生息する吸血性の小ハエ全般の名前です。
日本語ではサシチョウバエになります。
この小ハエは砂地であるビーチにもよくいます。ビーチによってはサンドフライに注意という看板を出しているところもありますが、それでなくても多くのビーチにいます。
今までの患者さんはニャチャン、ムイネー、フーコックいずれのビーチでも刺されています。
このハエは体調が3-4mmと小さく、蚊よりも素早いです。
気がつくと体の上を歩き回っています。そして刺されても大抵のヒトは気がつきません。痒みも最初のうちはほとんど現れず、数時間してから強い痒みとともに皮膚が膨らみ始めます。膨らみかたも蚊にさされたようにうっすら盛り上がるのではなく、丘疹といってちょっとしたおできのように盛り上がります。そして治るのにも1週間くらいかかります。
ただ皆が皆同じようにひどく皮疹ができるわけではなくて、ある程度体質的に皮疹ができやすい人とそうでない人がいるようです。
治療は特別なものはありませんが、いわゆるムシ刺されの対処と同様です。
基本的にはステロイドのクリームを使います。
刺された箇所が多く、痒みが強いときには、抗ヒスタミン薬を飲み薬で飲んでも良いです。
予防としてはやはり虫除けです。
それと夕方にサンドフライは活発に活動するので、夕方のビーチ外出の際は少し服を羽織るほうが安全でしょう。
先日は夕方に水着一枚でビーチでごろごろしていた男性の方が、全身を刺されてかゆそうに受診されました。