2012年6月13日水曜日

クレジットカード保険のワナ (海外旅行保険のすすめ)

今回は海外旅行保険の話です。


会社の出向で、保険は会社持ちです。という方にはあまり必要がないかもしれませんが、海外旅行保険は海外で暮らす方には必須のものです。
特にベトナムという医療水準がまだ低い国においてはなおさらです。

普通に入る海外旅行保険は決して安くはありません。安いものでも年間で  10万円前後します。 しかし大病を患えば10万円どころではすみません。国外に緊急搬送ということになればもっと費用がかさみます。保険代を払うのをためらったためにもっと大きな支払を強いられた方を多く見ているだけに、保険については必ず入ってねと常々言ってまわっています。
  

この保険料を安くできる裏技にクレジットカード付帯の海外旅行保険があります。 その特定のクレジットカードを持っていれば海外旅行に自動加入されるというものです。ただこれには大きな落とし穴がいくつかあります。いくつか紹介します。

  • 90(60)日間しかカバーされない

  •  飛行機のチケットをカードで買っていないとカバーされない

  • 病気やケガはカバーされないカードがある。ANA, JALカード。
 などです。
 詳しく書いていくと。
  •  旅行に出発してから90日間(もしくはカードの種類:シティカード などによっては60日間)の間しか保険にカバーされません。定期的に日本と海外を行ったり来たりしている人にはいいかもしれませんが、長期に滞在される人には使えません。また普通に加入する海外保険と違って延長措置ができないので、滞在が予想より伸びてしまった場合は自動的に無保険状態になってしまいます。

  •  クレジットカードの海外旅行の種類には自動付帯と利用付帯というのがあります。自動付帯はクレジットカードを持っていれば海外旅行に出かけた時点で自動的に保険に加入したことになるものです。利用付帯とは旅行中の交通機関の支払いをクレジットカードで行った場合に海外旅行保険の適応になるものです。つまりなんでもいいので、旅行に行く、もしくは旅行中の電車、飛行機、バスなどのチケットをクレジットカードで支払っていれば、その旅行期間の海外旅行保険が加入されたことになるというものです。ですから。自分の持っているクレジットカードが自動付帯か利用付帯かを知らないと大変なことになります。
  •  これも結構見逃されるのですが、ANA、JALの普通カードは(ANAのワイドカード、JALのClub-Aやゴールドカードは違いますが)傷害疾病治療費用、携行品損害費用が補償内容に入っていません。あるのは死亡、後遺症の補償だけです。つまりり一般の人が一番使う可能性の高い、病院の受診、けがの治療、緊急移送の費用が保険でカバーされていないということです。    個人的には、他の多くのカード会社が似たような表記できちんと疾病治療をカバーしているなかで、この2社が海外旅行最高補償額1000万円とうたっているのは正直にあまり好感を持てません。実際にこのことを知らずに困った人を何人か見ています。そんな事であれば最初から海外旅行保険はカバーしませんと明記している方が親切だとすら 感じてしまいます。

このページにも詳しく記載されています。(リンク)




やはり長期駐在、滞在されている方には少し高くとも、通常の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。


2012年5月15日火曜日

謎の皮膚病(続報)感染症ではない。。

前回リケッチアの感染だとわかったと発表がありましたが、どうやらリケッチアが原因ではないようです。

 14日に公式な発表があり、WHOのベトナム代表、アメリカCDCの代表も同席しての会見だったようで、今までで一番信憑性の高い発表です。

vietnamnet(リンク)  Vietnam news(リンク)
べトナム保健省のページ(ベトナム語)  

この会見によると、
長崎大学が患者の血液を検査行い、240種類のウイルスや細菌のDNAと照合した(詳細は不明)ところ、ウイルスや細菌の感染は確認できなかったようです。(リケッチアも出てこなかったということだと思います。)
また200種類以上のダニやノミなどの昆虫を捕まえて、細菌やウイルスなどの検査を行いましたが、こちらでも明らかな感染源となるものは見つからなかったようです。
この結果からすると今回の原因は感染症ではなさそうです。



そうすると原因は? となりますが。

以前から噂はされている環境汚染ではと考えられますが、
今回の発表では、 土や水に含まれている重金属(銅、亜鉛、鉛、カドミウムなど)の濃度も調べた結果危険な濃度ではない。患者の皮膚や髪からもそれらの重金属は検出されなかったそうです。殺虫剤も調べて大丈夫との結果です。

ちなみになぜかBBCの記事では
Poisoned soil suspected cause of Vietnam illness(リンク)
原因は土壌汚染が疑われる。がタイトルになっています。
記事中でもヒ素、鉛、亜鉛、カドミウムなどが土壌から検出された。と書いてあります。同じ会見に基づく報道だと思うのですが、どちらが正しいのかは分りません。


今回原因の候補として挙がってきたのが、カビ です。
アフラトキシンというカビが作り出す毒が、精米していない米から多く検出されたようです。精米していないコメ(玄米)は精米してあるコメ(白米)の5倍多くアフラトキシンを含み、このBa to地区で玄米を多く食べるのが原因ではないかと考えられているようです。


結論としては。
最終的には今回の皮膚病の原因はまだはっきりしていません。
ただ人から人へ感染するものではないことはかなり濃厚なようです。


2012年4月25日水曜日

謎の皮膚病判明 リケッチア Rikettsia in VN

ベトナム中部で、謎の皮膚病の話題がありましたが、原因が判明してきたようです。
その原因はリケッチアという細菌です。
(5/14に会見がありまた話が変わっています) コチラ

Saigon Giai Phong の英訳
http://crofsblogs.typepad.com/h5n1/2012/04/vietnam-rickettsia-virus-identified-as-cause-of-bizarre-skin-disease.html

この英訳ではリケッチアはウイルスということになっていますが。細菌です。ですから抗生物質による治療が可能です。

リケッチアはある一つの細菌の名前ではなく、細菌の種類です。
比較的有名なものでは (左は菌の名前、右は病名) 以下があります。
Rickettsia prowazekii -----発疹チフス
Rickettsia. typhi--------- 発疹熱
Rickettsia rickettsii-------ロッキー山紅斑熱
Rickettsia japonica-------日本紅斑熱

以前は日本で多くみられるツツガムシ病もリケッチアの仲間で起こるとされていましたが、今は別の種類ということになっています。

発疹チフスはノミ、ロッキー山紅斑熱、日本紅斑熱はダニにかまれること、発疹熱はネズミの糞を介して 感染します。人から人への感染はありません。

今回リケッチアであることは判明しましたが、まだどの菌であるか、新種の菌なのか、どういう経路で感染が広がっているかは判明していません。

続報を待ちましょう。

2012年4月24日火曜日

謎の皮膚病 中部ベトナム Mysterious skin disease

原因のまだはっきりしない皮膚病がベトナム中部ではやっているようです。

判明しました。(4/25)
(リンク)
さらに追加報告(5/14) 
(リンク) 

一応決着 (2013年3月)
(リンク) 

Vietnam news, Reuterなどによると昨年の4月から10月の間に流行が見られていた皮膚病が今年の3月から再び見られており、死者も出ているようです。
VN news
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/social-issues/223677/fatal-disease-baffles-doctors.html
Reuter
http://www.reuters.com/article/2012/04/21/us-vietnam-health-disease-idUSBRE83K04D20120421
CIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/fs/food-disease/news/apr2012newsscanbr.html

場所はQuang Ngai省のBa to地区と限られた地域で出ているようです。他の地域では見られていないようです。

170人以上が感染し、昨年からは19名が死亡(今年だけでは8名) とあります。

症状は報道によって異なるのではっきりしませんが、手足に発疹が出て、高熱が見られるようです。(CIDRAP)
Vietnam newsでは手足の指の間の腫れやかゆみがまずあらわれて、4-7日後に皮膚が厚くなったり、ひび割れるようになったりするとあります(潰瘍を作るという意味かもしれません)。重症の場合は多臓器不全、肝障害、消化管出血など合併症がみられます。

原因はまだ不明です。(感染症なのか、環境、水や、何かの化学薬品なのか等々)
ベトナムもWHOやアメリカCDCに原因の解明の協力を依頼していくようですが、WHOからの公式見解はまだありません。


はっきりと感染症(人から人にうつる病気)と分かったわけではないようですし、狭い範囲での流行なので。あわてることはないとは思いますが、今後注意が必要です。


Quang Ngai省

2012年2月18日土曜日

ベトナム発の鳥インフルエンザワクチン Avian flu vaccine

ベトナムが世界に先駆け鳥インフルエンザのワクチンを製造する(かも)と発表しました。

2月17日のVNNニュースより
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/in-bai/220893/nation-develops-vaccine-to-minimise-risks-of-bird-flu.html

CIDRAP

http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/avianflu/news/feb1612fluscan.html


ベトナムの公衆衛生局の Nguyen Tran Hien局長が来年2013年にも鳥インフルエンザのワクチンの製造を開始すると発表しました。
今年の後半から実際に効果を試す試験を経て、結果が良ければ来年から製造するとのことです。鳥インフルエンザのワクチン自体は今までもいろんな国で開発されていますが、実際に使用に向けて生産はされていません。のでもしベトナムがこれを始めれば世界に先駆けることになりそうです。もちろん予定通りにいけば。の話ですね。ホーチミンの地下鉄計画はいつになったら始まるのでしょうか。。。。

なぜベトナムで始めるか?それは2007年から2010年にかけ毎年5-7名の鳥インフルエンザが出ているから。とのことのようです。





ポーランドでホームレスの人をワクチンの実験台につかったという話。
ベトナムではこうならないといいです。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/poland/2235676/Homeless-people-die-after-bird-flu-vaccine-trial-in-Poland.html

2012年2月9日木曜日

髄膜炎菌性髄膜炎の流行  Meningococcal meningitis

テト(旧正月)の前後から話がありましたが、ベトナムで髄膜炎菌性髄膜炎の流行が見られているようです。
報道によると、ホーチミン、ハノイ、ロンアン省、ビンフック省、クアンチー省で流行が見られています。

tuoitrenews
http://tuoitrenews.vn/cmlink/tuoitrenews/society/meningococcal-meningitis-spreads-in-five-vietnam-localities-1.59750

http://www.examiner.com/infectious-disease-in-national/vietnam-30-people-test-positive-for-meningitis-hcmc



髄膜炎菌性髄膜炎(Meninngococcal meningitis)




髄膜炎はさまざまな菌やウイルスが脳や脊髄を覆っている髄膜という膜に感染することによって起こる病気です。特徴的な症状は高熱、頭痛に伴って項部硬直といって首が曲げられなくなります。
 
髄膜炎菌性髄膜炎は髄膜炎が髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)という名前の菌によって起きたものをいいます。この髄膜炎菌はときに流行をおこすことがあることから流行性髄膜炎ともいわれます。

症状経過
 髄膜炎の症状としては上記のように、高熱、頭痛、項部硬直に加えて嘔吐やけいれんをおこすことがあります。また敗血症といって血液を介して全身に菌がまわってしまうと、全身の臓器にダメージを与えたり、全身の皮下で出血を起こしたりします。
 経過は通常急激で、できるだけ早く抗生剤で治療することが必要です。治療を施しても致死率は10-15%といわれています。



tuoitrenewsより転載
敗血症で皮下出血を起こしている患者さんの様子です。


感染、予防
髄膜炎菌は飛沫感染します。(咳やくしゃみなどで散った飛沫を吸い込むことで感染します)ですからマスクの着用は有効です。
潜伏期は2-10日、平均で4日程度です。
予防には髄膜炎菌ワクチンがあります。髄膜炎菌にはいくつかの亜種があり現在ベトナムの流行でで確認されているのはA,B.CとYタイプのです。当院では髄膜炎菌のAとCタイプに対するワクチンを扱っています。

当院での髄膜炎患者さんはまだ見られていませんが、注意が必要です。
お子さんは特にワクチンの接種をおすすめします。





もっと詳細が知りたい方は下記参照してください。

国立感染症研究所ホームページ
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k05/k05_20/k05_20.html
横浜市衛星研究所ホームページ
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/mening1.html



2012年2月3日金曜日

鳥インフルエンザ注意喚起



領事館より鳥インフルエンザに対する注意喚起のメールがありました。 
(以下転載)

1 ベトナム保健省によれば,1月18日にカントー市在住の男性が死亡し,検査の結果,鳥インフルエンザ(A/H5N1)に罹患していたことが確認されました。続いて,1月28日にソクチャン省在住の女性が死亡した事例も,鳥インフルエンザに罹患していたことを確認した旨公表しています。

2 今年に入り,すでに鳥インフルエンザによる死亡が2例となり,何れもベトナム南部地域で発生していることから,今後,同地域において,増える可能性があります。
 つきましては,以下の一般的な予防策を実行するとともに,特にベトナム南部の地方へ行かれる方は,細心の注意を払ってください。

(1)生きた鳥(特に鶏,アヒル,鴨などの家禽類)への接触を避ける。
(2)家禽類の生肉,生卵は食べない。調理の際は十分な加熱を行い,卵や調理器具類は十分に洗浄する。
(3)手洗い,うがいを励行する。
(4)必要に応じマスクを着用する。
(5)規則正しい健康的な生活を送る。
(6)インフルエンザを疑う症状があれば,早めに医師の診断を受ける。
 (7)医師と相談の上,インフルエンザワクチンを接種する。



新型インフルエンザの影に隠れてあまり話題に上がらなかった鳥インフルエンザですが、注意をするに越したことはありません。
特に生きた鳥にむやみに接触するのはやめましょう。街中でも結構ニワトリなどが歩道で飼われていますが、近づかないように。(こんなふうに)


ちなみにインフルエンザワクチンを接種する。と(7)にありますが、通常の季節性のインフルエンザのワクチンは鳥インフルエンザには効果がありません。しかし鳥インフルエンザのはやっている時期に季節性のインフルエンザにかかった場合パニックになりかねないので、季節性のインフルエンザワクチンも打っておいたほうがいいということでしょう。 

国立感染症研究所のホームページによると1月18日に死亡した男性はアヒルに接触があったようです。
 http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/